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Photo 8

2009.08.10  *Edit 


何日かして 再びメロはあの場所にやって来た。
行き場の無いこの写真は 未消化の自分の気持ちと一緒に安らかな場所に保管する事に決めたようだ。

「メロ」
放課後の美術室 案の定リンダが居た。
「やあ」
照れくさそうに ニッ と笑う。

「どうしたの?」
椅子に座ったままの姿勢でリンダが声を掛けて来る。
油絵を描いているんだろうか、絵の具の匂いが鼻をつきメロは一瞬顔をしかめる。

「うん これやっぱりここに戻す事にした」
そう言ってリンダの方へ歩み寄りながら写真を掲げてみせた。

「なんで?いらないの?」
「うん」
「ニアにあげれば?どうせ写ってるんだし」
「…………」

渡すタイミングを逃してしまった。
今となっては何の意味も持たないただの写真になってしまった。

「じゃ 頂戴よそれ、記念に」
「はあ? 何の記念だよ」
「メロとニアの2ショット記念」
「なんだよそれ…気色ワル」
「うふふ」
「これは僕が……」
「うん?」
「僕が大人になるまでここに保管してもらうんだ…」
「大人って?」
「ん え…と」
意味不明なメロの呟きにリンダが聞き返した。

「………に にじゅう …24 くらいだ…」 
返答に困ったメロの口から咄嗟に出た数字はニアの誕生日。
「なんで24歳なの?」
「……べ べつにただ何となく 大人っぽいかなって…」
「…何言ってんの? メロ」
「ん…ぁ………」
咄嗟の発言に気恥ずかしくなり耳まで真っ赤になるメロ。
「何赤くなってんの?」
「うるさい…」
「へんなの、24って随分先じゃないの。メロは私と同い年だよね」
「………そうだっけ?」
「その時になったら わたしにもまた見せてよ」
「……う ん…」
「えっと… 2013年で24になるわ私達。あと12年もあるじゃない。忘れない様にしないとね、メロ」
「うん…」




___________________忘れない様にしないとね___________________




      月日は川の如く流れる
      時には緩やかに 時には怒濤の様に激しく


      僕達は いつまでも無邪気なままでいる事はなく
      いつしかお互いに距離を置く様になった

      もうあの時みたいには笑わない

      それでも僕達は忘れないでいよう

      あのキラキラした逸る思いは確かにあの日あの場所に存在してたって

      いつの日か 思い出す時が必ずやってくるって








[ミスリルの欠片] へ続きます。
2013年のニアサイドの話です。


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