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Photo 4

2009.06.25  *Edit 

イギリス南部に位置するハンプシャー地方。
ここウィンチェスターは他の地方に比べて平均気温が少しばかり高い。
しかし今日の風はカーテンを大きく舞踊らせ、いつもより透明で湿った空気を部屋に運んでいる。
夕方 陽もそろそろ落ちかけ寒々とした図書館。
しかしながらなにやら一角が騒がしい。


「早く押せって まだかよマット」
「ちょっと駄目!そんなんじゃニアが隠れちゃう。メロもっと後ろ下がって」
「こう?」
リンダに立ち位置を指摘されニアの少し後ろに回り込むメロ。
「ニア、もうちょっとメロの方に寄ってみて」 リンダが言う。
「はい………」
「ねえ、なんでメロとニアが一緒なの?ボクも撮ってよ」
「何言ってんだよ。お前が最初に撮りたいって言ったんだろ?」
「リンダも入っちゃってよ」
マットの意見に 「え?イヤよ男の子と一緒なんて!一人で撮りたいの」
「もーいいから早くしろって!!」 メロの一喝。

「………うう…」
「どうしたの?ニア」
いつになく黙り込むニアにリンダが心配そうに訪ねる。
「いえ ちょっと寒いんです……」
「ニアお前なんでいつもそんなに薄着なの?」
メロがニアのシャツの裾をたくし上げながら言う。

「ねえリンダ このアングルでどお?」 マットが横からリンダに聞く。
「んー そうね… あっ、なんかカーテン邪魔じゃない?」
「っ!!あーーーーもおおおおおおおお」
これ以上はじっとしてられない、我慢の限界だと言わんばかりに
メロはイライラと足をばたつかせ始めた。
「わかったわかった。駄々こねないでよメロ」
「ぷっ」
メロがリンダに小さい子供のように扱われた事にニアが笑った。
「ほっとけ!ニア黙れ!」

「いい?いくよ」
マットの掛け声でメロとニアは瞬時にレンズの方向を見る。
ニアは相変わらずのポーズで、少しハニカんだ様子で。
メロは両手にピースサイン、右手はわざとニアの頭の上にかざす。

       カシャ

       ウィ~________


「ほら出てきた」
シャッターと同時に写真がカメラから排出された。
「うわ 凄い ホントだ」
我も我もとその写真の出所を確認するかの様にマットの周りに集まってきた。
ニアも大きな瞳を丸くしてその様子をじっと眺めている。
「オッケーオッケー、はい次行くよ。次シャッター押す人~?」
マットが両手でカメラを渡す仕草をしながら声をかけると同時に
校舎の裏の教会から6時を知らせる鐘が鳴り響いた。

「あ ヤバい!!夕食の時間だよ。早く早く!!早く撮って撮って!」
未だ写真に収まっていないマットは焦るように追い立てた。
「ちょっとわたしが先!マット撮ってよ」
「ええ?時間ないよ~ 一緒に撮っちゃおうよ!!」
「イヤよっ!!一人で撮りたいの」
「ええ~~!!」
強気のリンダに困った様子のマットを尻目に
「マット、お前もう諦めろ」
先に写真に収まったメロは余裕の表情でニヤニヤしながら被写体が浮かび上がる様子をじっと待っている。
ニアも一緒にその写真の行方を見守っている。

「なんだよ、も~いいよ、わかったよ」
マットは仕方なくリンダの要求に答えるようにカメラを構えているが、
注文の多いリンダになかなかシャッターがきれないでいる。
「早くしないとロジャーに見つかってしまいますよ…」
ニアが寒さのあまりガチガチと震えながらリンダとマットに忠告したその時、

「!!!!」

「ヤバイっ! ロジャーだっ!」

廊下の遥か彼方から微かにロジャーの呼ぶ声が聞こえて来た。 
ロジャーだけじゃない、寮母のシスターも一緒だ。

「だから早くしろって言ったんだ!!」 メロが小声で唸った。

この図書館は廊下の突き当たりに面していて、どの部屋の入口もすべて廊下へ通ずるようになっている。
今廊下へ出れば確実にロジャーと鉢合わせになってしまうのは言うまでもない。

「やばいよお~~どおする?」
近づいてくる声にマットはおろおろと泣き出しそうだ。
そんなマットに苛つきながらリンダが言う。
「もーマットが早くしないから!」
「なんだよ、リンダこそ!」
「煩いなー、もう静かにしろってば!」 小声で言い争う二人を静止するメロ。
「とりあえずだ。みんな静かに閲覧室に移動し……」

その時



         ハックション!!  くしゅんっ!

Photo5 に続く








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