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Photo 2

2009.06.16  *Edit 

事の発端はメロの武勇伝から始まった。





「ロジャーの部屋で凄いもの発見したんだ!!」

そう言って得意げに話すメロにマットは興味津々だ。
気持ちが逸り過ぎて息つく暇さえ与えないというような調子で興奮気味に話すメロ。

「何? メロ ねえ何?」
マットも同様眼鏡の奥の瞳をキラキラさせて食い入る様にメロを見る。
「この間ロジャーの大事にしている鉢植えを割ってしまって部屋に呼ばれたの知ってるだろ?その時見つけたんだよ」



メロはいつもの様にサッカーボールで遊んでいた。
メンバーが揃わなかったので試合が出来ず 数人で校舎の裏で涼みながらボール蹴りでふざけていた時、
渡り廊下を挟んだ図書室の廊下でなにやら数人の笑い声とそれを煽る声が聞こえてきた
一人の少年に3人の上級生と思われる仲間が罵っている。
「お前さ 本ばっかり読んでないでたまには外で遊べよ」
3人は外から建物の中にいるその少年の髪の毛や服を鷲掴みにして廊下の窓から外へ引きずり出そうとしていた。
掴まれた髪の痛さに両手を翳し その拍子に手に持っていた本が窓の外に落下した
その本を無下に足で踏みつぶす。
「あっ やめて! 踏まないで!!」
涙声で訴える少年は掴まれた髪の痛さよりも必死で本を拾おうと届く筈の無い両手を懸命に伸ばす。
「だったら自分で取りに来いよ」そう言って窓から引きずり下ろそうと二人がかりで少年の身体を掴む。

ボムッ!!  ガシャン

勢い良く飛んで来たボールはその内の一人の背中に見事命中し それと同時に跳ね返ったボールは側にあった鉢植えに見事当たる。
「痛っ!!なにするんだよ!」 振り向き様にボールの飛んできた方向を見る。
「メロッ!!!」
相手がメロだった事が意外だったのか納得がいかない様子で問いつめる。
「痛いだろっ! どういうつもりだよ お前こいつの味方かよ!!」
「悪い!!足元が狂った ごめん 悪い ホントごめん!!」
関わるのも面倒と判断したメロの逃げのセリフ 本当は死んでも言いたくないが今は……
「気を付けろよ! 今回は大目に見てやるがいい気になるなよ!!」
数人で一人を虐めていたのは流石に格好が悪いのか 成績にも響くと判ってる上級生なだけに捨てセリフを残し素直にその場を立ち去った。

「ふん!!」

「ニア お前さあ……」 
「…はい…」
何か一言言いたげな様子のメロは靴の跡がくっきりついた本を拾い上げTシャツの裾でそれを軽く拭う。
「なんでちゃんと抵抗しないんだよ だからいつもやられるんだぜ」 
そう言って本をニアに渡す。
「ありがとうございます」
ズシリと重いその本はニアの腕を一旦下に押し下げる様にして再び腕の中に収まる。

「あんな人達には何を言っても無駄です」 
ぼそぼそと口を開くニアを呆れ顔でメロは見つめた。
渡された本を大事そうに胸に抱き抱え 先程掴まれた髪の辺りを整える様に触っている。
「すみません」 
「僕に謝って何の意味があるんだよ」
「………」


「あの…」
「…何?」
「……いえ…」

割れた鉢の欠片をよけて苗を取り出し、その場に穴を掘って苗を適当に埋め込む仕草のメロを興味深そうに窓枠から身を乗り出しながら見つめている。
無事に土に収まった苗だが すでに茎が見事に折れ曲がり花弁もペシャンコに潰された無惨な姿になっていた。 

「あの…」 
「ん…… 」 
靴の爪先で植え直した苗の周りを無造作に固めるのに懸命なメロはニアの呼びかけに心此処にあらずな返事を投げ返す。
「それ ロジャーに叱られます」 
ニアが指差した先には割れた鉢植え。
「あー まっ いっか 気にするなよ」 
今更ニアの声に気付いように、靴の先についた土を乱暴に壁で払い落としながら答える。

「メロー何やってんだよ 早く続きしようぜ!」 
遠くで呼ぶ友人の声に「今行く」と答え、転がったボールを取りに行く。

「これ内緒だぜ ニア」 振り向き様にペロっと舌を出しその場を走り去った。




しかし 

結局バレてロジャーの部屋に呼ばれたメロだった。




  
「待てども待てどもロジャーが現れないんだぜ。呼び出しといてさ、あったまくるよ。 
っで、痺れを切らして部屋の中をつい ついだよっ!!いろいろ見て回ったんだ。暇つぶしさ、うん。 だって見た事も無い面白い物がいっぱいあるんだぜロジャーの部屋!!」

メロの武勇伝は続く。

「でさ、カメラを見つけたんだよ。棚の上に無造作に置いてあったからさ、
ついっ ついだよ!! 悪戯でシャッター切っちゃったんだ。
そしたらだよ、その場で写真が出来上がるんだぜ!!凄いだろ? 
ウィーンって写真が出てくるんだぜ!!」
「ええ!? 何それ?ほんと?」 
「ホントだって。ビックリだろ?」




そして
ロジャーの留守を狙って『その凄いカメラ』を拝借しようと今こうして廊下を匍匐前進しているという訳だ。

G I ジョーごっこと称してマットを仲間に引き連れて。


Photo3 に続く








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