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Photo 1

2009.06.13  *Edit 

「マット 早くしろよ」

小声で急かすように何度も後ろを振り向きながら匍匐前進の少年が二人。
緩やかな色彩の帯が波の様に這う昼下がりの一時 長い廊下をある場所目掛けて進んでいる。

「ねえメロ ボク肘が痛くなってきちゃったよ。 歩いてもいい?」
「立ったら丸見えじゃないかよ。 いいか? 今僕達は誰にも此処に居る事を見られちゃいけないんだよ」
「うん… 頑張るよ」
「よし、目的は一つ。 敵の陣地に忍び込んである物を奪う!! 戦利品は山分けだ!! いいな!!」
「エイエイオー!!」  「バカ!! 声が大きいだろ!」

後ろを振り返りながらマットの頭上辺りを裸足の指先で小突くような仕草の後再び前を見やると、
ダブダブの白いズボンの足がすぐ目の前に飛び込んできた。
「ニア!!」
突然の出現に慌てたメロはさっきのマットよりも大きな声で叫んだ。
「メロ 声が大きいよ!!」 マットが促す。

「何やってるんですか?」 鷹揚にニアが訪ねる。
一瞬の出来事にメロはがっくりと頭をうなだれた。 
「なんでお前っていつも絶妙のタイミングでいるんだよ」
下から睨みつけるメロだが 匍匐前進のポーズのままでイマイチ迫力には欠ける。

「今は授業中ですよ?二人ともサボったんですか?」呆れたと言わんばかりの顔つきで上から二人を見下ろす。
「ニアに見つかったよ。 どうするの?メロ」 
「わかってるよ! 煩い」マットはメロの怒りに触れない様に少し後ずさりした。
「ニ… ニアだって授業中だろ、お前こそ何やってるんだよ?」
「わたしはレポート提出のみでしたからもう終わりました。 それに今日は」
「ん?」
「いえ、 なんでもないです」
言いかけて止めたニアの顔は少しばかり笑みを浮かべている
「? なんだよニア、気になるだろ?」  「いえ別に」
「ふーん ま いいや。 それよりちょっと退けて。 そこ邪魔、あっち行って」
いつも通りのメロの憎まれ口にも慣れてるのかニアは動じない。
「わたしはこの部屋に用事があるんです。メロ達こそ退いてくれないと入れません」
そこは丁度遊戯室のドアの前だ。 
「大体なぜそんな格好なんですか?授業サボってまで何か面白い事でもしてるんですか?」
「あ いや… 」
匍匐前進の自分たちの格好が今更ながら滑稽に思えて何故かメロは少し気恥ずかしくなった。
「G I ジョーごっこだよ、 ね。今から敵の陣地に忍び込むんだよ」 マットが無邪気に答える。
「敵の陣地って?」 ニアに聞きかえされたがメロは答えない。
「G I ジョーごっこですか? へえ~」 
含み笑いのニアの前で何も言えなくなってしまったメロだった。
「メロ そうだよね」 「うぅ」 「違うの?」 
「ふ~ん」 明らかに面白がっているニアの声に顔を上げないでいるメロ。
「ニアもやる?」 マットが問う。
「バカ!マット 余計な事は言うなよ」 「だって」 
気を利かせたつもりのマットだがメロに一喝されて落ち込んだ。

「わたしは結構です。誰にも言いませんから安心して楽しんでください。んふ」
少し笑いを含めたセリフを言い放ち速やかに後ろのドアに移動して遊戯室に姿を忍び込ませたその時
「ニア! 」
メロの呼ぶ声にニアは一旦入りかけた身体をゆっくりと戻しメロを見た。
「なんですか?」
「夕方 図書室にこいよ。面白い物見せてやるよ。僕もマットもいるしリンダも誘ったんだ」
 突然の誘いに戸惑うニア。
「今日ですか?」
「そうだよ」
「今日は… 」 何か言いたそうなニアにお構い無く言葉を続けるメロ。
「いいな 絶対来いよ! 来なかったら絶交だからな!」 
そう言うと再びそののポーズで進み始めた。

後ろからマットが低い声で叫ぶ。
「メロ これってなんか意味あんの?もういいんじゃないの?」 「だめ」
「ねえ 誰もいないしさ 見つかんなければいいんでしょ?ねえねえ」 「煩い」
ニアに見つかってしまった手前 今更止められる訳にも行かないまま二人はそのまま先へと進んで行く。
そんな二人を目で追いながら暫くドアの前で佇むニアだ。
短い溜息と同時にパズルを抱えた指先に少しばかり力が籠った。


Photo2 に続く





このお話はエロくありません。ノスタルジックなワイミーズです。



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